執着系上司の初恋
秘密の早朝ミーティング in 2課
昨日の夜、美魔女谷口さんよりメールが2課の面々に流れた。
差出人:美魔女
宛先:山城〉
宮本〉
文子ちゃん〉
早朝ミーティングのお知らせ
以下、課長、加藤さんには口外禁ず
情報をもらした者、厳罰処分
明日、課長、加藤さんが来る前に今後の2課について
早朝ミーティングを行います。
ハブにされたくなければ、早起きしてください。
皆、誰一人欠ける事なく早朝出社し、緊張の面持ちで美魔女の言葉を待つ。
「みんな、気が付いてると思うけど、冴木課長がついに恋に落ちたわ。もちろん、相手は加藤さん。」
その言葉に皆、各々の反応を示す。
「そうよねっ。そうだと思ったのよ!だって、冴木課長が加藤さんをずっと見てたわよね。
それもなんだか、(俺もかまって欲しい)←イケメン声を出す佐々木女史
みたいな視線で!」
祈るように胸の前で手を握り締めながら、途中、声色を変えつつ興奮気味に話すのは乙女な佐々木
「俺の課長がー!やっぱりハイスペック女子の餌食に、、、
いや、でも課長が好きなら問題なし?」
どこか複雑そうに首をかしげる今時男子宮本
「まあ、あれだけあからさまでしたからね。僕も初めて見ましたよ。冴木課長が赤面するところ。」
腕を組み、納得するようにうなづく冷静沈着男子山城
「しかも、今のところ自覚なしよ。今まで寄ってくる女を適当にさばいてくるだけで、大した恋愛してないんじゃないかしら?」
ちょっと、馬鹿にしたように片眉をあげつつ妖艶に話す美魔女谷口
皆、なんだかんだ言って、冴木課長と華の事を嬉しく思っているようだ。
(宮本は心の折り合いつけ途中)
「自覚なしのおばかさんはほっといて、加藤さん、どうかしらね?あまり下手に刺激はしない方がいいと思うんだけど。、、そうそう!大事な事があった!」
美魔女谷口が珍しく興奮したように言う。皆の視線が、またもや美魔女谷口に集まる。
「今日から、加藤さんは隙のない美女の装いで来るはずよ。」
ニヤリと悪だくみするように微笑む美魔女谷口。
その笑みは、空調の効いた室内でも、少しだけ皆の背筋を冷やす。
「どうゆう事っー!?」
乙女佐々木女史の年に見合わぬ黄色い歓声が上がる。
恋に年齢など関係ないよね。いつでも心に幸せな妄想を。
いっそうの盛り上がりを見せた営業2課。
そんな時、扉を解錠する電子音が聞こえてきた。
社内の扉は、入室時にIDカードを壁に付けられた機械にタッチさせ、鍵を開けるタイプで、そこからさらに、傘や、コートなどを置くちょっとしたスペースがあり、もう一つの扉を開けると座席が並ぶ室内といったつくりだ
皆が静まりかえり、またしても緊張の面持ちで入室者を待つ。
目に入る人影は、少しつま先の長い黒光りする革靴、長身で引き締まった体躯を際立たせるような、落ち着いたグレー地に細い水色の線の大判な格子柄が薄っすらと見えるスーツを着こなした冴木課長だった。
その姿は、モデル雑誌を見るようで朝から眼福ものだ。
しかし、その顔は到底モデルのような微笑ではなく、こちらを威嚇するような視線。
美形ゆえに、その顔もその顔で見惚れてしまう(佐々木女史談)
その課長の陰の後ろから、小柄な人影が姿を現わす。
ヒールはそこまで高くないが足の甲が綺麗に見えるパンプスに、体の曲線が浮き出るような紺色レースのタイトスカート、触ってみたくなるようなとろみのあるシャツ、そのシャツは首元と鎖骨を美しく見せるよう計算されたもの。それらを品良く身につけていたのは、いつもは地味な装いをしていた加藤さん。
そして目線をさらに上げると、卵型の輪郭を包み込むように切りそろえられた髪。毛先は肩上でふんわりとカーブを描く。彼女のキリッとした強めの目元を柔らかく見せているようだ。
しかし、その顔色は少し赤いように思える。
その変貌に皆驚きながらも、彼女自身やはり緊張しているのだろうかとあまり騒いでは良くないと内心の動揺を隠すよう皆目線を合わせ、小さくうなづく。
「あまり加藤をじろじろと見ないように。仕事に集中してくれ。」
冴木課長は、男子二人に言ったような気がする。
返事をしつつ、皆思うことは一つだろう。
「課長、ダダ漏れです。」
差出人:美魔女
宛先:山城〉
宮本〉
文子ちゃん〉
早朝ミーティングのお知らせ
以下、課長、加藤さんには口外禁ず
情報をもらした者、厳罰処分
明日、課長、加藤さんが来る前に今後の2課について
早朝ミーティングを行います。
ハブにされたくなければ、早起きしてください。
皆、誰一人欠ける事なく早朝出社し、緊張の面持ちで美魔女の言葉を待つ。
「みんな、気が付いてると思うけど、冴木課長がついに恋に落ちたわ。もちろん、相手は加藤さん。」
その言葉に皆、各々の反応を示す。
「そうよねっ。そうだと思ったのよ!だって、冴木課長が加藤さんをずっと見てたわよね。
それもなんだか、(俺もかまって欲しい)←イケメン声を出す佐々木女史
みたいな視線で!」
祈るように胸の前で手を握り締めながら、途中、声色を変えつつ興奮気味に話すのは乙女な佐々木
「俺の課長がー!やっぱりハイスペック女子の餌食に、、、
いや、でも課長が好きなら問題なし?」
どこか複雑そうに首をかしげる今時男子宮本
「まあ、あれだけあからさまでしたからね。僕も初めて見ましたよ。冴木課長が赤面するところ。」
腕を組み、納得するようにうなづく冷静沈着男子山城
「しかも、今のところ自覚なしよ。今まで寄ってくる女を適当にさばいてくるだけで、大した恋愛してないんじゃないかしら?」
ちょっと、馬鹿にしたように片眉をあげつつ妖艶に話す美魔女谷口
皆、なんだかんだ言って、冴木課長と華の事を嬉しく思っているようだ。
(宮本は心の折り合いつけ途中)
「自覚なしのおばかさんはほっといて、加藤さん、どうかしらね?あまり下手に刺激はしない方がいいと思うんだけど。、、そうそう!大事な事があった!」
美魔女谷口が珍しく興奮したように言う。皆の視線が、またもや美魔女谷口に集まる。
「今日から、加藤さんは隙のない美女の装いで来るはずよ。」
ニヤリと悪だくみするように微笑む美魔女谷口。
その笑みは、空調の効いた室内でも、少しだけ皆の背筋を冷やす。
「どうゆう事っー!?」
乙女佐々木女史の年に見合わぬ黄色い歓声が上がる。
恋に年齢など関係ないよね。いつでも心に幸せな妄想を。
いっそうの盛り上がりを見せた営業2課。
そんな時、扉を解錠する電子音が聞こえてきた。
社内の扉は、入室時にIDカードを壁に付けられた機械にタッチさせ、鍵を開けるタイプで、そこからさらに、傘や、コートなどを置くちょっとしたスペースがあり、もう一つの扉を開けると座席が並ぶ室内といったつくりだ
皆が静まりかえり、またしても緊張の面持ちで入室者を待つ。
目に入る人影は、少しつま先の長い黒光りする革靴、長身で引き締まった体躯を際立たせるような、落ち着いたグレー地に細い水色の線の大判な格子柄が薄っすらと見えるスーツを着こなした冴木課長だった。
その姿は、モデル雑誌を見るようで朝から眼福ものだ。
しかし、その顔は到底モデルのような微笑ではなく、こちらを威嚇するような視線。
美形ゆえに、その顔もその顔で見惚れてしまう(佐々木女史談)
その課長の陰の後ろから、小柄な人影が姿を現わす。
ヒールはそこまで高くないが足の甲が綺麗に見えるパンプスに、体の曲線が浮き出るような紺色レースのタイトスカート、触ってみたくなるようなとろみのあるシャツ、そのシャツは首元と鎖骨を美しく見せるよう計算されたもの。それらを品良く身につけていたのは、いつもは地味な装いをしていた加藤さん。
そして目線をさらに上げると、卵型の輪郭を包み込むように切りそろえられた髪。毛先は肩上でふんわりとカーブを描く。彼女のキリッとした強めの目元を柔らかく見せているようだ。
しかし、その顔色は少し赤いように思える。
その変貌に皆驚きながらも、彼女自身やはり緊張しているのだろうかとあまり騒いでは良くないと内心の動揺を隠すよう皆目線を合わせ、小さくうなづく。
「あまり加藤をじろじろと見ないように。仕事に集中してくれ。」
冴木課長は、男子二人に言ったような気がする。
返事をしつつ、皆思うことは一つだろう。
「課長、ダダ漏れです。」