執着系上司の初恋
溢れ出たもの 後半
作者より
最後の方 R18?入ります。
背後にお気をつけください。

冴木課長視点

「はぁ、はぁ、はぁっ、はぁ。」
薄暗く人気のない非常階段に、俺の場違いなほど大きな息づかいが響く。

俺は今、非常階段を全速力で駆け上がっている。
あの、淫らで美味しそうな彼女を資料室に残し、デスクに戻るため階段を二段抜かしで、駆け上がる。
誰もこの短時間に人気のない資料室に行かないとは思うが、あの姿の彼女を誰にも見せたくない。

「はぁ、はぁ。くそっ、、、運動不足だな。」

エレベーターボタンを連打し、エレベーターの表示階数が今いるフロアに近づくのをイライラと見つめていたが、途中で表示階数が止まったところで、エレベーターが迎えに来るのを待ちきれずに非常階段へと走った。
フロア三階分を登り切った俺は、息を切らし、吹き出た汗をぬぐいながら部内の扉を勢いよく開けた。

「っ!!!」
皆の視線が驚愕している。
なぜだ?勢いよく扉を開けすぎたか?
あ、そんな事よりも、あの美味しそうな彼女をどうにかしないと。
俺が、助けを求めようとした時、

「課長っ!!この短時間に一体何があったんですか??何しちゃったんですか!!そんなに息切らして、汗だくで、顔は真っ赤で。色気ダダ漏れですよっ!
しかも、この寒空にワイシャツとスリーピーススーツのベストだけって!!さっきまで着てたジャケットは一体、、、、資料室で何にお使いに、、。」
宮本が顔を赤らめ興奮して聞く。

その勢いに驚き、答えようとするが、
俺の頭に、「資料室」 「ジャケット」
というキーワードが、先ほどの彼女の痴態を思い出させる。
「加藤が、、偶発的に、、破けてしまって。。」
しどろもどろになりつつ、赤くなるのを感じながら、息が上がったままの俺は、頭に浮かんだ言葉をそのまま口に出した。

「課長!無理やりはダメです!いくら課長でも、女子に対して酷い仕打ちだ!」珍しく声を荒げる山城。

「事と次第によっては、あなた、会社に来れなくなるわよ。」凄味を効かせた谷口さん。

「どうしましょうー!!リアルはダメよ!!」赤くなる佐々木さん。

??意味が分からない?
しかし、時間に猶予はないのだ。

「裁縫道具とかだれか持ってないか?あのままじゃ、加藤がかわいそうだ。」
そう言うと、誰のせいだ!と詰め寄られ、しぶしぶ事の次第を説明した。
しかし、あの白い繊細なバラが描かれたレース付きの黒のガーターと、お揃いと思われる白レースのガーターを留めるサスペンダーについては、口外禁止案件なので、俺と彼女だけの秘密だ。

「もう、まぎわらしいことしないでよ!」そう逆ギレし、谷口さんは裁縫道具片手に資料室へ行ってしまった。
、、、別に、俺が裁縫道具持って行っても良かったんだけど。

その後、顔を赤らめた彼女が谷口さんと戻ってきた。谷口さんのニヤリとした顔を見る限り、どうやら俺と彼女だけの秘密ではなくなったようだ。

顔を赤らめ、ジャケットを返しに彼女がこちらへやって来て「お騒がせしてすみません。」とうつむきがちに言う。
色々とたまらない気持ちになって、上手く言葉が出ない。
いいもの見せてもらった?いやいや、似合ってた?さっきも言ったし、これは秘密だ。結局、
「気にするな。」月並みな言葉になった。
なんとなく、俺の顔も赤いに違いない。
これじゃきっと、俺の気持ちなど周りの連中にもダダ漏れだろうな。
そう思い、皆を見渡すと、こちらに生暖かい視線を向けていた。

はぁ。。彼女に出会ってからというものこんなんばっかだな。
(皆まで言うな。)
片手で頭を抱え、もう一方の手で皆に向かって片手を上げた。


その夜、自分の部屋でソファに座りいつもの酒を片手にテレビをみていると、深夜の時間帯ならではのお色気お姉さん達がキャイキャイ騒いでいた。
谷間のあらわな服、短すぎるスカート、これみがしな上目使いな瞳。

げんなりだ。

テレビを消し、今日の彼女を思い出す。
本当は、いつも態度を変えない彼女に自分を意識してもらいたくて、彼女の手を掴んだんだ。
契約ファイルを指し示す、数字を説明しているその手は細い指が綺麗に並んでいて、淫乱さなど無縁のようなのに、手首の関節の曲線さえ俺を堪らなくさせる。
触れたくて、掴みたくて、その衝動を紛らわそうと下を見れば、ささやかなスリット。
俺がおかしいんだろう。俺が勝手に悶えてるだけなのに、なんだか腹立たしくなった。
そう、だから、仕返しのつもりが返り討ちにあったんだ。

大きく破れたスリットはちょうどレースのサスペンダーの留め具が見えるぐらい。残念ながら、下着までは見えなかった。
それなのに、俺の身体は反応を示す。
彼女のいつもは見えない白い肌が露出し、白い繊細な薔薇のレースが見えた。黒いガーターがそれらをよりはっきりと浮かび上がらせる。そして、お揃いのレースのサスペンダー。あのサスペンダーを触って、弾いたら、彼女の肌は紅く跡をつけるのかな。。
そう思っただけで、硬く張り詰め、腹につきそうなほど立ち上がった自分自身を感じる。
もうこれは、どうにかしないと収まりがつかない。
持っていた酒を置き、自分自身をズボンから取り出してみると、それは照明に照らされ赤黒く光り、卑猥な形をしていた。
彼女のきれいな身体にはない俺の身体の醜い一部。
その醜い部分が、彼女を求めよだれを垂らす。まだ、取り出しただけなのに、我慢ができないんだ。
「ふぅっ。」
しつけの悪い自分自身にため息を吐きつつ、白い肌の彼女を妄想で汚す。

妄想の彼女は、俺を淫らに誘う。

裂けたスリットをずり上げ、
「ずっと、触りたかったんでしょう?触っていいですよ。」
彼女がいやらしくあの手首をしならせ、彼女自身の太ももをゆっくりと撫で上げていく。
まだ見ぬショーツに手をかけ、艶めかしく脱ぎ去り、膝に手を置き片足を開く。

「ほら、もう垂れちゃうの。触って。」
彼女が俺の手のひらを秘部にになすりつける。

俺は、彼女の中に人差し指と中指を突っ込みながら、すぐ上の突起を親指でいじめる。

ぐちゃぐちゃにしたい。

彼女の中に入る妄想をする。きっと、熱くて、どろどろで、きつい中を。

そこに自分自身を入れたらっ!!

彼女のあの引き締まったふくらはぎを両手で掴み上げ、大きく左右に開き、真下に叩きつけるように自らを何度も激しくねじ込む。
妄想の彼女の泡立つ秘部と、甘い声、乱れまくった顔。
頭がバクバクと心臓のように熱くなり、自分自身をしごき上げる右手が止まらない。
右手は自分自身の出したよだれで、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を出す。


ガタンッ

限界が近づくとあまりの快感に堪えきれず、テーブルに手をつき、酒の入ったグラスを倒す。

「はぁ、はぁ、はぁ、、。」

しごき上げる右手は、そんな事ではもう止められない。
その時、彼女の香りを思い出した。あの、甘すぎないフローラルの香り。

「くぅっっ!!」

瞬間的に、腰が抜けそうなほどの快感が全身を突き抜けた。

とっさに、酒にまみれた左手で自分の体液を受け止める。

全力疾走の後のように激しく息が切れ、胸の筋肉が上下する。

どろどろになった自分の両手を見つめ、諦めのような笑いがもれた。
コップから酒が溢れるように、俺の気持ちは彼女でいっぱいになって、溢れる時を待っているのか。
溢れたら、この両手のように彼女をぐちゃぐちゃにしてしまうのか。
そうしたら、やっと俺は満たされるのか、それとも、、、、。

まとまらない考えをそのままにして、風呂に向かう。
とりあえず、今日の事は彼女のせいにしたい。



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