黒い羽の天使へ
「嫌いになってくれたらいいのにね」


……言うつもりはなかった。


気を許しすぎたのだ。

この男があまりにもいいやつだったから。


「そしたら、誰も傷付けないで済むのに。」


「誰かと付き合えば?」


「好きじゃないのに付き合うなんて、

断るより傷付けるでしょ。」


「お前、良いやつだな」


「そんなんじゃないわよ。」


「優しすぎんだよ。」


「その方が得だからそうしてるだけ」


「よし!気に入った!」



何なんだこの子は?



「俺が協力してやるよ!」



ほんとに変なやつ。



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