黒い羽の天使へ
校門を出たところで

掴んでいた腕を離される。



「愛花、家どっちよ?」



「あっち。」


「おっけー」



「え?ねぇ、家まで来るつもり?」


「いや、俺もこっち。」



「てか、ほんとにやるの?恋人ごっこ」



「だって、もう言っちまったしな!」



「松下くんと会って2日しか経ってないんだけど?」



「拓矢でいいよ。俺も愛花って呼ぶし」



恋人が苗字で呼んでたら変だろ?

と、ニカッと笑いながら拓矢は振り返る。



「細けぇこと気にすんな!

ギブ・アンド・テークってやつよ!」


「まぁ、あたしは助かるんだけどさ…」



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