黒い羽の天使へ
「んで、今度は絵を描くんだっけ?」


「そーそ、絵画展に出すんだってさ。
入賞者が出たら学校の株も上がるからって
頼まれた。」


「いいじゃん!絵好きでしょ?」


「んー、そうなんだけどねぇ…テーマが微妙なのよね」


「何なの??」


「ファンタジー」


「あはっ、最高じゃん(笑)」


「何描いたらいいのかしらね、縁が無さすぎてわかんないわ」


「たしかに私ら理系だしね」


「ファンタジーと一番遠いところにいるのよ?」


「ま、てきとーに天使とか描いとけば?」


「天使ね…見たこと無いもん」


「じゃ、ユニコーンとか!」


「見たことあるの?」


「もちろんない!」


「でしょうねぇ」



ファンタジーね…


あたしの存在はファンタジーなんだけどね


だからこそ難しい。


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