絶対やせてやる!

「ごめんね・・・私・・・余計なこと・・・。」

夕くんが少し涙ぐんで

「うんん。いいんだ。今は分かってる。
兄さんが何であんなこと言ったのか。
だけど・・・幼かったからずっと大好きだった兄さんに言われた言葉がショックで・・・さ。
でも、会いたかったから何度も手紙書いたんだ・・・出せなかったけど。
僕だけ母さんと来たことも・・・悪いと思って。」


士幌は知らないだろう・・・夕くんの気持ち・・・。

きっと・・・士幌も最後に夕くんに言った言葉が忘れられないんじゃない?

夕くんを傷つけたと思ってるんじゃ・・・。


士幌は帰ってしまった。


何も言わずに・・・。


「夕くん・・・。」

二人を何とかしてあげたい・・・

もちろん、私は部外者だ。

しかも今日ここを発つ。

何ともできる訳が無い。


「いつか・・・今は無理でも・・・多分また兄さんと呼べる日が来ると思うんだ。
だからさ、兄さんが来てくれた・・それだけでいいんだ。」

夕くんが笑って言った。


「そうだね。人生長いもんね。」


その時、そう言った自分の言葉・・・

後に思い出すことになる。


夕くんと士幌・・・

何とかしてあげれたら・・・

先のことなんて分からない。

だから・・・今じゃなきゃダメなんだ。



それに気づくのは・・・もう少し先で・・・。


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