絶対やせてやる!
「私は支店長ぐらいなら別に先輩に譲ってもいいですけどぉ、

超お局様がかなり厳しいですよねぇ~。

当分大変って感じですかねぇ。」

帰るなりこれだ。

くっ・・・この言い方・・・毒舌後輩・・・

今に見てろ!

確かに超お局が支店長を狙っていると言うことは分かった。

じゃなきゃ、あんなに言ってくるわけない。

嵐の過ぎ去るのを待つしかないって・・・感じ?



「お疲れ様ですぅ。コーヒーどうぞ。」

いつの間にか毒舌後輩が営業から帰って来た若手男性社員にコーヒーを出している。

身のこなしの早いこと・・・。

「ありがとう。」
そう言われただけで毒舌後輩は、嬉しそうに席に戻って来た。

やっぱ、若い者は若い者同士って?

勝手にやってくれって感じ。

私はできれば会社では平穏無事がいい。



なるべく絡みたくないけど決裁を貰う書類があったので支店長のところに持っていった。

他の書類に目を通していた彼は顔を上げ、

「今朝はすみませんでした。」
急にそんなことを言い、

「え・・・ああ・・・。」
返事に困る私をよそに、

「深い意味はありませんから。

僕、海外が長かったんでつい言動が大げさになってしまうようなんです。

そう言う訳ですから嫌な思いをさせたなら謝ります。」

「はあ・・・そうですか。」

何だか訳の分からないままの私。

彼は私の手から書類を受け取ると素早く判を押し、

「どうぞ。」

と渡してきた。

えっ?

別にニッコリ微笑みかけて欲しかった訳じゃないけど・・・
何この変わりようは・・・。

「あの~・・・。」
そう言いかけた私に

「まだ何か?」
と冷たい返事。

また・・・事務所中がシ~ンとなった。

仕方なくと言うか決裁も貰ったので席に戻るしかなく・・・
< 140 / 296 >

この作品をシェア

pagetop