絶対やせてやる!

「友達送って来たのってバスですか?
車どうかしたんですか?」


古宇さんが聞いてきた。

よく気が付く人だ・・・。


「仕事で来てた友達の借りてたレンタカーでそのまま空港来ちゃったんで・・・。」

「仕事?・・・」


古宇さんは、そう言ってそのまま沈黙してしまった。

さっきの士幌みたいに前を向いて運転に集中してる顔のまま


「みのりさん・・・友達って・・・
男?その人のこと好きなの?」

そう言った。


その答えは既に出てる。
だけど・・・
言わない方がいい気がした。



古宇さんがちょっとムッとしてるのが分かるからどう答えていいやら・・・

仕事のこともあるしあんまり険悪になりたくないし・・・


それにしても・・・

私って、今が・・・モテ期?



本当のこと言うと士幌は年下だから古宇さんの方が問題は無い気はする。

でも、気持ちの問題。

古宇さんもカッコいいけどやっぱり士幌に惹かれる。


「答えたくないなら別にいいですけど、
その彼が重要人物だということは分かりました。」


重要人物?・・まあ、そうだよね。


「今は友達ですから。」

「・・・・そうですか。まあ、いいです。」


それ以上追求はされなかった。

取り合えずは、ホッとした。


「家まで送りますか?」

「駅前で降ろしてもらえれば大丈夫です。」

「分かりました。」


今度は随分とあっさりしてる・・・
物足りない?
うんん、そんなこと無いけど・・・

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