絶対やせてやる!
「やあ、いらっしゃい。」

「!」「!」


美形の夕くんだった。

やっぱり・・・

さっきの『また後で』ってこ~ゆうこと。


「夕くんのバイトってここだったの!」

「そうだよ。」


やだ~私入れない~・・・って目で合図する妹。

私だって恥ずかしいよ。



普通の温泉と違って番台からモロ着替も何も見えるじゃあないの。

お見せできる代物じゃないって言うか顔見知りだと恥ずかしいよね?


ありえないー!


取り合えず料金だけ払うが・・・

いつまでも立ち尽くす二人にとうとう夕くんはこう言った


「あれ?入らないの?お二人とも。」


入れるかー!

そんなに興味津々で見られたら入れるわけないでしょお?


すると次々と若い女の子の集団がやって来て・・・

「夕くんこんばんはー。」

と番台にお金を置くとサッサと入って行ってしまった。

すごい・・・恥ずかしくないの?


番台の側でまだ動かない私たち。


「恥ずかしいの?」
と夕くん。

「当たり前でしょ。こんなこと新くんに言えない!」
と妹ほのか。

「新くんって?」
と夕くん。

「誰だっていいでしょ!」
と妹ほのか。ほとんど逆ギレ状態。

「皆平気そうだね。」

「うん。あれ皆子供の時からのつれだからさあ。」

そっか。田舎じゃ皆顔見知りかあ。

「どうする?」

「やだー」

いつもは何でも平気の妹もこればっかりはダメらしい。



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