絶対やせてやる!
「夕くんモテモテだね。」

番台横の椅子で1時間近く夕くんの仕事ぶりを眺めていたが結構退屈しなかった。

「そうですか?だったら、とっくに彼女いるはずなんですけどね。」

あら?彼女いないんだ。

ちょっと嬉しい私。

いやいや、私はここにダイエットに来たんであって男さがしに来たんじゃないんだ。

やせて綺麗になってから・・・

そう、やせてから彼氏は見つけよう・・・・年上の。


だいたい彼女いないって言ったって特定のを作らないだけって人もいるでしょ。

騙されちゃだめよ。


って・・・誰も騙す気ないって・・・か。





8時半ちょっと過ぎたころ夕くんのお母さんがやって来た。

やっとお風呂入れる~。

「彼女たちB棟のお客さん。」

夕くんのお母さんは、小柄で可愛らしい感じのいい人だった。

若く見えるけど・・・いくつなんだろう・・・とかって思う。


「ようこそいらっしゃいましたね。
今日は、ちょっと私用で居なかったものですから、
明日からいますから分からないことや困ったことがあったら何でも言って下さいね。」

「はい。よろしくお願いします。」

取り合えずちょっと安心した。

「ほら、夕、もう行かないと・・・。」

「あ、うん。じゃあ、また明日。お先です。」

夕くんは、次のバイトへと行ってしまった。



私と妹は、やっと安堵して着替えを始めたのだった。







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