絶対やせてやる!

「ほんとに料理得意なんだね。」

夕くんが手慣れた私の料理姿を見て感心したように言った。

「うん、まあね。料理は超得意なんだけどねえ。
でも、食べてくれる彼氏もいないし・・・
ってゆ~か、まずはやせないとこんな女の手料理食う気しないって?」


また・・・自分で自虐的なことを言って速攻どんりょり・・・。


そうなんだよね~。
取り合えずお嫁に行くのに必要なことは全てマスターしてる。

なのに・・・行けてない・・・。。。。


「そうかなあ。みのりさん自分のこと低く見すぎ。」

夕くんが言った。

「なんで?」

思わず聞き返す。


だって・・・実際他にいいところ無いし・・・。


「みのりさん太ってること気にしてるけど、男って女の子が思う理想のスリム体型よりかやっぱ少しぐらいぽっちゃりで柔らかくて抱き心地いい方がいいもんなんだよ。
料理の上手いのも絶対はずせないし・・・。もっと自信持った方がいいよ。」

そんな風に言ってくれたの夕くんが初めて・・・。


思わず顔が赤くなる。
『抱き心地いい』とか言うし・・・


別に夕くんに抱かれた訳じゃないんだけど・・・。


ちょっと感動・・・でも素直になれない・・・


「はあ・・・そうですか。」


赤くなりながらも平静を装ってぶっきら棒に返事をする。


「みのりさん可愛いね。そうやって赤くなるとことかさ。」

「もう!夕くんったらからかわないでよ!」


10コも年下の男の子に私はいったい何をドキドキしてるんだ・・・

もうダメ・・・惚れそう・・・?



(みのり正気になりなさい!)

と自分に言い聞かせ・・・・
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