絶対やせてやる！

包丁を持つ手が急に止まった。

いつの間にか・・・目の前に上川士幌の姿。

柱のところに寄り掛かってこっちを見てた。


なに？


目が合うとやつは、
「でも、ある程度はやせててもらわないと。
男のプライドとしては、デブの女連れて歩くよりある程度やせて綺麗な女連れてる方がいいし。料理の上手いとかなんて重要じゃないんじゃないの？ダメなら外食すればいい。」


私たちの話を聞いていたらしくそう言って意地悪く笑った。



ほんとムカつくやつ！


「それって家庭を持つ気のないやつの意見？」

「まさか。結婚する気はあるよ。
だけど、最初っから太ってる女っていくら料理が上手くったって、そこからどんどん幸せ太りだとかなんとか理由をつけてもっと太ってしまいには、料理を作るのも億劫になるんじゃないの？」


ちょっと・・・あんたそれって・・・言いすぎじゃない？


言い返そうと思ったが・・・


「なんかそれって偏見！デブに恨みでもあるの？」


いつの間にか妹ほのかも戻って来てて腕組みして仁王立ちでやつに言った。


おお！さすがほのか！かっこいい！



救いの女神に見えた。



「別に特に無いけど。」

シラッとした顔でやつが答えた。



（じゃあ、私に恨みでもあるのかよ！）


と言いたいけど心の中だけにしておく。