あなたに溺愛
突然の出逢い
12月の寒そうな青い空を、ぼんやりと眺めていた。

学校帰りの商店街。

私は八百屋さんで、大根を選んでいた。




「キャ──────────ッ!!!」



女子の歓声から逃げるように走ってきた美少年は、よろけて私にぶつかってきた。


「あ、ごめん!」


すごく汗かいてるし、息切らして。

捕まりたくないんだよね?


「こっちに来て!」


私は八百屋さんの角を曲がり、複雑な路地裏へ彼を案内した。
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