あなたに溺愛
翌日の放課後。

藤樫くんは約束通り、ファンを大勢引き連れ、バイトに来てくれた。


「藤樫くん、この店でほぼ毎日バイトするの~? うれしい~! 私たち、超通う~!」

「追っかけるより楽だし、話も出来ていいよね~!」



藤樫くんファンには好評みたい。

50席が全部、埋まった!

外には空席待ちのファンが数十人!

こんな光景、見たことない!

さすが、藤樫大明神様!



藤樫くんは接客もうまい。

女の子たちは、彼の一挙手一投足に釘付け。

「ケーキセット5つ追加!」

「は~い♪」



私が持っていこうとすると、

「やだ~! 藤樫くんが持ってきてよ~。 ここに来た意味ないじゃん」


そうですね……。


藤樫くんが運んでいくと、すごくうれしそうな顔をして、ケーキを食べている。


藤樫くんは、すごいなぁ。

会っただけで、人を幸せな気持ちにさせちゃうんだもんな。
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