あなたに溺愛
爽やか王子が俺様に?
「どうしたの? こんな人気のないところ……。何か話でもあるの?」


外はもう暗くて、街灯に照らされた、藤樫くんの綺麗な顔が、私のすぐそばにあった。


「今日、ファンの子たちのご機嫌とるの、すごく疲れたんだ。
今までは、あまり相手にせずに逃げ回ってたから。」


藤樫くんて、追っかけの子が苦手なのかな……。強引過ぎるところがあるからかな?


「ごめんね……。気を遣わせちゃって。藤樫くん、女の子が苦手なんだね?」

「苦手っていうか……。俺、もうちょっと控えめな子のほうがいいんだ。だから……」


藤樫くんの手が、私のセミロングの髪に触れる。
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