あなたに溺愛
瞬のそばに歩み寄り、やさしく瞬を抱きしめた。


「真菜。どうしたの?」


不思議そうな顔の瞬。


「瞬のお母さんの代わりに、子供の頃の瞬に愛情をあげれたらいいのに……」


小さくつぶやいた。


「私……瞬のお母さんの代わりに、瞬に、良い思い出も、愛情も、たくさんあげたいの。これから、ずっと……」


そこまで言うと恥ずかしくなって、下を向いた。


「生意気なこと言って、ごめん……」

小さな声でつぶやくと、瞬のやさしい掌が、そっと私の髪を撫でた。


「サンキュ」

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