あなたに溺愛
思いきり睨みつけたが、麗は開き直って、

「いいじゃない。別に。お姉ちゃんが弟の部屋に入って、何が悪いの?」

と、言い放ち、部屋を出ていこうとした。


俺は、ドアの入り口で通せんぼして、

「ポケットに入れた物を出せ」

と言った。


麗は、しぶしぶ俺の引き出しから盗ったものを返した。

反省の欠片も感じられない。


なんてやつだ。

明日、部屋にカギをつけよう。

今まで、鍵なんてつけなくても、こんなことする人間は家に居なかったのに……。
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