あなたに溺愛
真菜が何を言っても、聞こえない。

真菜が悲しそうな顔で俺を見ても、無気力で、優しい言葉がかけられない。


真菜を家に送り届けた後。

俺は無言のまま真菜から離れて、あてもなく歩き続けた。



麗が言ってた、おもしろいもの、って、これかよ。

麗は、多田が真菜をあの場所で襲うって分かってて、わざと俺に見せた。

それで、真菜と俺を仲たがいさせて、おもしろいのか?



麗が家に居ると思うと帰りたくなくて、ファミレスで外食して時間を潰した。


遅い時間に帰宅。

心身共に疲れて、部屋に鍵をかけるのを忘れて、風呂に入ってしまった。


その隙に、麗が俺の部屋に忍び込み、スマホを盗むなんて思いもしなかった。
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