あなたに溺愛
「早かったね」

「う……うん」


マッハで来たから。


私は藤樫くんに歩みよった。


昨夜の色っぽい藤樫くんじゃなくて、

爽やか藤樫くんに見えた。


「昨日は、ごめん。
俺、人見知りなところがあって、客には苦手なタイプの子もいたし、50人を1人で相手してたらストレスが溜まって……。
君に、甘えてたと思う。
嫌だっただろうなって、反省してる」

藤樫くんは、申し訳なさそうな顔でつぶやいた。



私に甘えてた?

そんなこと言われたら、母性本能がうずいて……。

じゃなくて。

重要なところはそこじゃなくて。
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