あなたに溺愛
真菜の家のそばまで来た時、

真菜が俺の腕を掴んだ。


真菜に向き合う俺。


「瞬……。今まで、ありがとう。
短い間だったけど、瞬と付き合えて幸せだった……。
ずっと、忘れない……」


そう言うと、真菜は泣きながら走っていってしまった。



俺は追いかけることが出来なかった。

人を信じることに憶病になっていた。



また、裏切られたら?

また、あんなつらい思いをするのか?

多田とのキスシーンさえ見なければ、今までのように許せたのか?


俺はしばらくそこから動けずにいた……。
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