あなたに溺愛
「おふくろは、俺が小学生の時に、不倫して駆け落ち。
妹は、自分を着飾ることばかりで、家事は一切しない」


寂しそうに瞬がつぶやく。


「おふくろ、不倫相手に会いに行くとき、いつも濃い化粧して、香水つけて……。
家に居るときは化粧なんてしないのに。家事もいつも手抜きで」


瞬はひとつ溜息をついてから、私のほうを向いた。


「だから、家族を守るために一生懸命で、家庭的な真菜に魅かれるんだろうな……。
化粧も香水もつけないし」


瞬の手が伸びてきて、私の髪に触れる。
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