あなたに溺愛
「店じゃ会えそうになかったから、君の後、尾行してきた」


それって、ストーカーって言うんじゃ……?


「そんなに怖がらないでよ。
どうしても、君と話がしたかったから」


先日とは違って、多田くんはしおらしく見えた。


私たちは、近くのベンチに座った。

多田くんは、真剣な顔をして話し始める。


「中学の時、俺の親友が君に片思いしてた。
毎日、渡り廊下を歩く君の姿を、親友と一緒に見てるうちに俺も君を好きになった。

でも、親友の好きな子に告白なんて、出来なかった。

親友は、1年くらい君に片思いして、ついに告白しようとしていたんだけど、親の転勤で他府県に引っ越すことになって、断念した。」
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