あなたに溺愛

side 瞬

翌日。

多田が店に来た。


真菜に二度と近づくなと言うために、俺は彼の座る席へ向かった。


「坂井真菜さん、呼んでくれる?」

にっこり笑って、多田が言う。


呼ぶわけないだろ。


「坂井さんはとても迷惑しています。
もう、会いたくないそうです」

そう伝えると、


「真菜、そんなこと言ってんの?
そういう態度だと、昨日のことバラすぞって、言っといてもらえます?」

多田が舌打ちをする。
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