あなたに溺愛
多田くんが現れるまでは、よく笑いかけてくれた瞬。

今、瞬が笑顔を向けるのは、お客様で。

もう、私には、笑いかけてくれないの?

さびしいな……。



視線を感じて、窓の外を見ると、多田くんがガラス越しに私を見ていた。


多田くんが、瞬に何も言わなければ、こんなふうになってなかったのに!


煮えたぎるように腹が立ってきて、私は裏口から外へ出た。


多田くんから、少し離れたところで立っていると、私に気付き、近づいてきた。
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