Miseria ~幸せな悲劇~


「美花はレギュラー取るために必死で練習してたから……もう限界だったのかもね」


ジャージを着た小柄な生徒が言った。なにげなくメイ達の耳にも彼女達の会話が入ってきた。


「そういえば聞いたか? 美花の怪我、ちょっと変だったって……」


「変? どういうふうに?」


詩依はその言葉に息をのんだ。


「怪我をした箇所や症状がほとんど大野先輩と一緒だったっらしいんだよ。病院の医者もヒビってたって……」


「!!!!」


詩依は突然、立ち上がった。その拍子にガタッと椅子が揺れる。驚きに満ちた表情を浮かべ、頭を抱えた。


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