Miseria ~幸せな悲劇~

「まったく、どうした? 放課後のシスターズ。そんな暗い顔して」


沈んだ雰囲気の三人のもとに、恵は微笑みながら近づいてきた。


「シスターズ?」


祐希が不思議そうに聞き返した。


「いつもみんなして遅くまで騒いでいるからよ。先生や一部の生徒の間で人気の呼び名なんだけど、あんた達知らなかったのね」


恵はそう言って机にお菓子の入った袋を置いた。


「ほら、なんか食べて元気出しなさい。あんた達がそんなだとクラスの雰囲気が悪くてしょうがない」


恵は空いた席に腰を掛けた。


「先生…」


メイは嬉しそうに呟いた。


「普段は持ってくると怒るくせに……

………この糞ババア」


(ババアの部分はボリュームを落として)詩依が言った。


「あ? なんか言ったかしら詩依? 言っとくけど私そんな年じゃないんだけどね」


恵はムカッとしながら詩依のほっぺをつねった。詩依は手をばたつかせて抵抗した。
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