Miseria ~幸せな悲劇~

「……あれ? おまえ先に出たんじゃなかったのか?」


家の前では、中学の黒い制服を着た風花が美花を待っていた。


「お姉ちゃん。途中までならついていってもいいでしょ?」


風花は美花に微笑んだ。


「まぁ、どうしてもって言うならな」


そう言えば、二人で学校に行くなんていつぶりかな?


美花は言葉とは裏腹に、嬉恥かしそうな表情を浮かべた。
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