Miseria ~幸せな悲劇~
「………幻滅した? 私のこと。祐人のためとは言え、立派な人殺しだよね。私………」
祐希は震えた声で言った。まるで鉛のように重たい陰気な言葉だ。
「そんな、祐希は悪くないよ。だって他にどうしようもなかったんだから……そうでしょ?」
メイは小さく振り返りながら言った。
他にどうしようもなかった。
例えそうであったとしても、祐希の胸には深い罪悪感が膨れ上がっていたのだろう。祐希は哀感を帯びた瞳でメイを見つめていた。
「大丈夫。私は祐希の味方だから。絶対に祐希は正しかったって信じてるよ」
メイは祐希に優しく声をかけた。そして祐希に寄り添うように彼女の肩を抱いた。祐希の体は小刻みに震えていた。
「うん……」
祐希は少しだけ安心した表情を浮かべた。メイは祐希の震えがおさまるまで彼女に寄り添った。