Miseria ~幸せな悲劇~

「祐人!!」


祐希は靴を脱ぎ捨てて祐人のもとに駆け寄った。


「な、なに?」


困惑する祐人の肩に祐希は手を乗せた。


「いい!? しばらくの間、絶対に外に出ちゃダメだよ!!」


祐希は神経を張りつめた様子で祐人に迫った。いつにない祐希の気迫に祐人は少し腰を引いていた。


「なんで? 何かあったの?」


祐人は不思議そうに尋ねた。


「いいからダメなの! 何があっても、絶対だよ!!」


「わ、分かったよ」


祐人はコクりと頷いた。
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