Miseria ~幸せな悲劇~
ドガシャン!!!
と、同時に横でガラスが割れる音がした。
「し、詩依…?」
詩依は大きめの石をガラスに投げつけて扉のガラスを割ったのだ。
「えっ、なに? 入れるわよ?」
「え…………」
詩依はメイのピッキングのことを知らない様子だった。平然と割れたガラスから学校の中へと入っていく。
「行こっか…」
祐希はそう言ってメイの肩を叩いた。メイは何も言わずにヘアピンをポケットにしまった。