Miseria ~幸せな悲劇~
「な、なに、この学校、いつからゴーストハウスになったの…!?」
人形に挟まれた麻衣は辺りを見渡した。
人形の発する不気味なオーラは麻衣の足を恐怖で棒のように硬直させた。
「…メイ? メイ?」
「…チガウヨ… メイジャナイヤ…」
人形達は麻衣に迫りながら子供の声でお互いに話をしていた。
この人形達さっきからなんでメイさんのこと知ってるんだろう…?
麻衣の頭に一瞬、そんな疑問が浮かんだが、
いや、それよりも今は、はやくここから逃げないとやばい気がする……!
そう思い返して麻衣は熊に初めて遭遇した都会人のように人形達の目を見ながらゆっくりと後退した。
「…………ご、ごめんなさい、なんか私、お邪魔だったみたいで、えへへ」
たどたどし様子のまま麻衣はゆっくりと人形の群れから距離を広げていった。
しかし……