Miseria ~幸せな悲劇~
ドンドンドドン!ドンドンドンドンドンドンドン!
職員室の扉を誰かがもうスピードで体当たりをするような激しい音が聞こえてきた。
「こ、今度はなに…!?」
「まさか、また喰イ喰イが!?」
詩依と祐希は突然の出来事に困惑した様子で立ちすくんだ。
「わっ…!」
メイはそんな二人の腕をつかんでひっぱった。
「静かに…!」
メイは二人を連れて近くにあった先生の机の下に隠れた。三人は避難訓練のように机の下で縮こまる。
「多分、喰イ喰イじゃないよ。もしあいつならヒールの音がするはずだから」
メイは小声で二人にそう告げた。
おそらくは喰イ喰イの操る何かが、私達を探しに来た。
メイはそう思いなからドアを叩く音に集中した。