Miseria ~幸せな悲劇~
やがて音がおさまると、今度は体を扉に押しつけるような扉がきしむ音がした。
そしてゆっくりと、扉が開く音がする。
「いい? とにかくこのまま黙ってやり過ごすよ」
メイは二人の耳元で静かにささやいた。
「……………」
祐希は口をおさえたままメイにむかって頷いた。
すぐに誰かが職員室に入ってくる足音がした。やはり、ヒールではない。メイは机の隙間から入ってきた者を確認した。