Miseria ~幸せな悲劇~
「大…!」
「ぐふ゛ふ゛…!」
メイは半身の少女の顎に掌をあてて、少女が力を込めていた方向にその力を合気道の要領で受け流した。
「丈夫…!!」
メイは巴投げのようにその長い右足を使って弾き飛ばした。
「ぐふ゛ふ゛ふ゛…!」
半身の少女は自らが獣のように込めていた力も手伝って宙を大砲の弾のように飛んでいく。
そのまま職員室に設置されていた棚に突っ込み、そしてその棚は突っ込んだ勢いに耐えきれず崩れ落ちた。
「はぁ、はぁ……」
メイは腕を痛そうに押さえた。衣服はみだれマラソンのあとのように息を切らせている。