Miseria ~幸せな悲劇~
直後、少女の上半身は壊れた棚の残骸から銃弾のように飛び出した。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…!!!」
少女はけたたましい悲鳴とも奇声とも取れる声を発し、メイ達にむかって腕のみで走り出した。
室内を走るオートバイのような速度だ。そして勢いのまま、自らの下半身を手に取るとスカートごと二つに引き裂いた。少女の下半身から血が吹き出す。
「あ゛は゛は゛は゛…!!」
上半身はそのうちの右足をメイ達に投げつけた。右足は祐希にむかい飛んで来る。
「うわっ!!!」
間一髪で祐希はその攻撃を体を縮めて回避した。右足は裕希のすぐ後ろでガラスを破りその破片を辺りにばらまいた。