Miseria ~幸せな悲劇~
「くっ…!」
メイはちょうど恵の机を背にして半身の少女と向かい合った。
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
少女は奇声を発しながら半狂状態でメイに突進する。
メイは目を見据えて向かい合ったまま、恵の机の上を手で探った。
「ねぇ、いい加減もう終わりにしようよ…!」
そう言ってメイは机の上にあったシャーペンを一本手で掴んだ。メイは突進する少女の目をそのシャーペンで突き刺した。
「ぬ゛あ゛え゛か゛た゛ゆ゛き゛め゛ゆ゛と゛や゛!!」
普通の者なら痛みと恐怖で戦意を失うはずだが、少女はなおも奇声を発しながらメイを襲った。
「ぐあ゛あ゛あ゛…!!!」
シャーペンが目に深くねじり込もうとも、メイの右腕に鋭い牙を立てた。
「うぐっ!!」
一瞬息が止まるほど強烈な痛みが全身に走る。右腕の筋肉を食いちぎられるような思いがした。