Miseria ~幸せな悲劇~


「でもこれであんたは逃げられない!」


メイは苦痛に表情を歪ませながらそう呟くと、


「うらあっ…!!!」


くるりと体を一回転させながら噛まれた右腕を大きく振り回し、今度は少女を恵の机に叩きつけた。


「ぐえぇっ…!!!!!!!」


少女はその衝撃で一瞬、口からメイの腕を離す。


メイはその隙に腕を口からひくどころか、さらに奥の食道に突っ込んだ。これでこの化物も動けない。


「ごめんね。鈴木先生」


「!!!!」


メイはそのまま少女の上半身を固定させて恵のパソコンを頭上に構えた。


「これでどう!?」


ドガアアアアア…!!!


メイはパソコンで化け物の頭を潰した。


パソコンからはバチバチと少量の電流が流れた。メイは口から手を引き抜いた。


「す、すごすぎだよ」


職員室の入り口付近でメイの攻防を見守っていた裕希は思わずそう呟いた。そんな祐希にメイはいつものクールな笑みを浮かべた。


「さて、とっとと次いかないと」


メイはそう言って裕希と詩依のいる入り口に向かおうとした。が、


「ぐう゛う゛う゛」


少女は身体を震わせながら起き上がった。


「ま、まさか、ちょっとしつこくない…?」


少女は頭から中身が飛び出すほどの怪我をおっていた。ショットガンで頭を撃ち抜かれたような崩れた顔だ。


「うがああああああ!!!!!!!!!!」


人間ならもはや身体に命令する器官が破損し意識はないだろう。が、少女はメイの首を狩ろうと迫ってきた。


< 300 / 394 >

この作品をシェア

pagetop