Miseria ~幸せな悲劇~
決着
カチカチカチ………と。メイがセーラー服を出してから間もなく、校長室に奇妙な音が響いた。
「な、何………?」
その音は部屋の入口の辺りにある古い市松人形からでていた。
音とともに、市松人形の首が徐々にねじれた。そして、人形はほぼ真後ろを向いてメイ達の方を睨みつけた。
「グガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
市松人形の口と目が開く。そしてそこから、石油のように黒い血が流した。
「ひっ!」
直後、市松人形の首はぐきりと折れて床に落ちた。
ヤバイ…! 何かある……!
メイは直感的にその場を離れようと二人の手を握ったが、
「ねぇ、言ったわよね、祐希………」
何者かの尖ったヒールが、床に落ちた市松人形の首をバラバラに砕いた。
「く、喰イ喰イ!」