Miseria ~幸せな悲劇~
メイは叫びながらホームの階段を上がっていった。
「違う、違う!! 私のせいじゃない!! 私は、私は!!!」
ボサボサになるまで髪をかきむしり、血が流れるまで手を壁にうちつける。
痛みが頭の中を支配し、一瞬だけ平穏が訪れようとも、メイにはこみ上げてくる激情を押さえつけることができない。
「うぐぇ、げほ、げほ……!!」
また強烈な吐き気がメイを襲い、メイはその場でしゃがみこんだ。強烈な頭痛のあとに、ある記憶がよみがえってくる。
思い出したくもなかった。
メイにとって最悪の記憶が。