Miseria ~幸せな悲劇~

『うぐっ………!!』


『メ、メイさん?』


この時、私は、


耐えられなかったのだ。


二人の目と視線がかち合う瞬間も、


眩しすぎる笑顔に応えるために表情を作ることも……


『うげぇ、、うごごえええぇぇぇぇ………』


耐えられなかった。


すぐにトイレに駆け込み、胃の中のものを全て吐き出した。


『はぁ、はぁ、はぁ!』


心では誰よりも他者を求めているのに、


私の体は、


どうしても他者を受け入れることができなかった。


『うぐっ! なんで!? なんで!?』


頭の中では、何度も、


何度も、


彼女達と話す自分を思い描いてきた。


そしてそれが現実になることを、


私は、どれだけ望んでいたのか。


分かっていたはずなのに。


『なんで、私は、私は……!!』


後悔した。


そして憎んだ、自分自身を。


しかし、


決定的だったのはこの後だった。
< 376 / 394 >

この作品をシェア

pagetop