Miseria ~幸せな悲劇~
じっくりと考えた挙げ句、美花は言った。
「……やっぱり、『才能』とか?」
「……」
美花の言葉にメイ達は顔を見合わせた。
「……」
「……」
「……はっ?」
才能と不幸になんの関係があるの? メイ達の疑問は共通していた。
「だってよ!うちのサッカー部はうまい奴が多いのに練習の時はサボってばっかなんだ! 私は死ぬ気でレギュラー取ったのによ!」
美花は苛立ちながら勢いよく麦茶の入ったコップを手に取った。
「あっ、それ私の……」
祐希が言い切る前に美花はむぎ茶を飲み干した。
「はぁ、つくづく才能の差って不公平だよな! 私にももっとよこせっての!」
美花は不満げに言った。
「ああ、そういうこと」
納得した様子でメイは頷いた。
「そういのも喰イ喰イは食べてくれるのかしらね?」
どこか冷笑的に詩依は言った。