Miseria ~幸せな悲劇~
「ゆーうーと!」
「わっ!」
美花が祐人の頭をすれ違いざまに撫でた。くしゃくしゃに髪を撫で回す美花の雑な手つきに、祐人は肩をすくめた。
「また背がのびたんじゃないか?」
美花は嬉しそうな顔で、前はこんなだったのにな。と、つい一年前、小学生だったころの祐人の身長を分かりやすく手でジェスチャーした。
「へへ、そうかな…?」
祐人はうっすらと微笑んだ。美花なりの励ましが祐人には嬉しかったのだろう。
美花もまた、いつものように笑っているように見えた。
しかし、