Miseria ~幸せな悲劇~

メイは紙を口の中に入れた。


そして、塩水を使い、血のついた紙を胃の中に流し込んでいく。


塩と鉄臭い血の味がする。


本来は異物であるはずの紙の感触が、喉の奥へと流れていく。


「んぐっ…………」


吐き出しそうな嗚咽を押さえてメイは紙を飲み込んだ。


割れた病院の窓からひんやりとした風が吹く。
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