Miseria ~幸せな悲劇~
「これって、人形……?」
それは炎に焼かれて皮膚がドロドロに溶けた人形だった。人形からはプラスチックを焼いて出る有害物質のような独特の悪臭がする。
メイは、この人形にある違和感を覚えた。誰かに似ている気がする。もしかすると、大野怜……?
「フフ……………!!!」
今! 人形が笑った!?
メイの方に頭がググッと向き、一瞬だけ人形の口元が微笑んだ気がした。
メイの背筋に冷たい冷気が走る。メイはとっさに人形を蹴り飛ばした。人形はメイの蹴りで首と胴体が切断され、胴体がメイの足元に残った。
不気味に思ったメイはそのまま人形を捨てて、美花達のもとにむかった。
「…………………………」