君だから。
仲良く…


その言葉を聞いて突然今の私の状況を思い出した。


凛以外に友達はいない。


それに晴翔くんはきっと、モテるだろうし…


私と仲良くしていたら変な誤解をされるんじゃないか────


「あれっ、俺の独りよがりだった!?」


晴翔くんは慌てて私にそう尋ねた。


え?


独りよがりなんかじゃない。私も仲良くなりたいと思ってる…


でも、それをどう伝えればいいんだろう?


「そんなことないよ」


悩んだ挙句口から出た言葉はたった一言だった。


でも、晴翔くんは安心したように笑ってくれる。


「よかったぁ。俺ばっかりそう思ってたのかと思った」


満面の笑みで────


「あ、あのね晴翔くん」


「ん?」


彼は真っ直ぐに私を見て返事をした。


「どうして、私に声かけてくれたの?」


私は初めからずっと気になっていたことを聞いた。


すると、彼は突然真剣な顔になる。


「気になったから。葵ちゃんのこと」

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