君だから。
「へぇ〜、もしかしたら近くかもね?俺たち」
「案外、そうかもね」
「だったらいいな。なんて」
そう言って晴翔くんはまた笑う。
ほんとに晴翔くんはよく笑う人だなと思った。
太陽のようにあたたかくて、優しい人柄が伝わってくるようなそんな素敵な笑顔。
私はあまり感情を表に出すのが得意じゃないから、少し羨ましく思った。
私もこんな風に笑えたらな────
そんなことを考えてしまう。
「葵ちゃんあのさ、ちょっと寄り道してもいい?」
「え、あ、うん」
そう言って晴翔くんは近くのコンビニに入っていく。
そうして、しばらくして小走りで戻ってくる。
「はい、これ」
晴翔くんから差し出されたものはジュースとお菓子だった。
「付き合ってくれたお礼だから」
「え、そんないいのに…」
「いーの!これくらいさせて?」
「あ、ありがとう…」
だから、こんなに見つめられると
断りきれないよ────
だって、晴翔くんの澄んだ瞳でじっと見つめられると目がそらせなくなってしまうから。