君だから。

「葵ちゃん、暑い?」


「えっ?なんで?」


まだ5月だから暑くはないはずなのにどうしてだろう。


「顔赤いよ?」


「へっ?」


晴翔くんに言われたことに驚きつつ、私は自分の顔を触ってみた。


たしかに熱い。


「あ、ほんとだ…。」


「ふっ、ははっ」


晴翔くんはそんな私を見て笑う。


あー、もう恥ずかしいなぁ〜!


私ってば何やってるんだろう


「葵ちゃん、面白いや」


えっと、それは褒め言葉なのかな?


でも、いいかなんか楽しいし。



「あ、ここ!私の家」


楽しい時間はあっという間で気づけば私の家は目の前だった。


「え、ここ?」


そう聞き返す晴翔くんに私はそっと頷く。


「俺の家、ここから一本向こうのアパート」


ほら、あそこと晴翔くんは指さす。


「まじか!ほんとに近くとか、驚いた」


晴翔くん驚きを隠せないのかなぜかはしゃいでる。


「ほんと、びっくりだね」


「これって、何かの縁かな?」


「えっ?」


晴翔くんの言葉に驚いた私は咄嗟に聞き返す。


「だってさ、席隣だし、家も近いしさ。何かの縁かなって」

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