君だから。
綺麗な黒髪を三つ編みにした眼鏡の女の子がいた。
そして、俺は真っ先に視界に入った彼女のことが気になって仕方がなかった。
だから、つい声かけてしまったんだ。
そして、学校案内まで頼んでしまって────
ほんとは担任から一通り教えてもらっていたけどどうしても彼女と話す機会が欲しかったから。
話してみると意外と話してくれて、最初は俺のこと不審に思ってたかもしれないけど。
それでも話していくうちにだんだん慣れてきたみたいで初めの固い印象はなくなった。
なんか、俺に似てる。
そう思った。
そして、もっと仲良くなれたらいいなって。
葵ちゃんのことが気になったから。
って、意味深過ぎたよな。きっと。
気にしても今さら遅いけど…。
でも、本心だからどうしようもない。
それに今の俺にはここまでしか言えない。
それにしてもいきなり会ったばかりの人を家まで送ったり奢ったりしてやりすぎたかな。
俺、嫌われてないかな?
あー、でもこれももう気にしても遅いか。
とりあえず嫌われていませんように。
彼女─葵ちゃんとはもっと仲良くなりたい。
そう思った。