君だから。
「俺さ、中学生の時バスケやってて、だからバスケだけは出来るんだ。まあ、ブランクあるけどね〜」
晴翔くんがバスケ。
きっと、女の子たちが騒ぐに違いない。
晴翔くんは背が高いからゴールたくさん決めるんだろうなぁ。
私は背が低いから少し羨ましい。
小学生の頃にすごい勢いで背が伸びたからてっきり160cmまで伸びると思っていた身長は150cmで止まってしまったままだった。
私がそんなことを思いながら晴翔くんを見ていると
「あのさ、俺、バスケ頑張るから見てて」
「えっと、うん。応援してます」
「ははっ。葵ちゃんに応援されたらミスれないな」
なんて、私に向かって微笑んでくる。
ドキッ────
一瞬、胸が高鳴る。
最近、おかしいな。私。
「あーおいっ」
「うわっ」
「私も仲間に入ーれてっ!」
そう言って凛が私に飛びついてきた。
「あ、こんにちは。高山さん」
ニコーっと晴翔くんまた笑う。
「葵がいつもお世話になってますー」
なんて言って凛は頭を下げちゃってる。
「高山さんなんか葵ちゃんのお母さんみたいだね」