君だから。


「葵!それって!」


凛もなぜかテンションが上がってる。


そして



『もしかして〜!』


盛り上がった3人が声を揃えて言う。


『好きなんじゃない!?』


「えっ?」


3人が突拍子もないことを言ってくる。


「九条くんってばやるね〜」


「まさか、葵の可愛さに初日で気付くとは!」


「えー、私だって葵ちゃん狙ってたもん!」


「私も葵ちゃん狙ってたのに〜」


ん?えーっと、どういうこと?


3人の会話に私は頭が付いていかなくなる。


「葵ちゃんは?」


「どう思ってるの?」


どう思ってるか。


晴翔くんのこと…。


「わかんない…。でも、あの笑顔はちょっとずるいなって」


「え!」


『きゃああ〜っ』


息ぴったりな3人は目を輝かせて見つめてくる。


「それはもう恋だよ!」


え?


恋??


私が?


晴翔くんに…。


「いいな〜。青春だね〜」


「頑張ってね」


「そうだよ葵!」


「えっと、私、晴翔くんのこと好きなのかな?」


「もー、鈍感!」


あははとみんなで笑ってる。


私は晴翔くんのことが好きなのかな?


今の私にはそれはまだよくわからなかった。
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